フルピンのスパイクタイヤを自作しましたが、比較と温存のためボンスンのスパイクタイヤを購入しました。
原付二種のハンターカブに装着して、冬道を走行しました!
スパイクタイヤでの走行はどんな感じか?
夏用タイヤでの走行とスパイクタイヤでの冬道走行の大きな乗り心地の違いは何でしょうか?
一番感じる事は、冬タイヤでの走行中は事ある毎に滑っている!
まずスパイクタイヤで走行するためには、その『滑り』がどのくらいまでが許容範囲なのかを感覚で理解する必要があるのです。
感覚が慣れるまではものすごく怖い。
転倒との戦い!?
冬道を走れるかどうかは、結局コケるかコケないかが1番の問題。
バイクの場合は自動車と違い、一回滑るとかなりピンチな状況!
タイヤの滑りがいつ発生するかがわからないので、滑りに対して対処できるように柔軟性を持って乗る必要があります。
恐怖でガッチガチになると危険。
ただこれは、乗っていれば滑る量の限度などが分かってくるにつれて慣れるます。
走行路面によって、バイクの挙動が全然違う
冬道走行は路面の状況が全てです。
凹凸がある路面では急にハンドルがぐりんってなったり、リヤタイヤがずりんって横滑りしたりします。
舗装路や、まっ平らな凍結路であれば50~60キロでの走行は可能。
ただし、地面の凹凸にはものすごく弱いので、路面次第では一気に移動可能速度が落ちます。
積雪があると、知らないうちに急に雪の下の路面状況が変わっている可能性があるので怖さがある。
雪の下の状態次第。
まっすぐ走っていても、転倒の危険性があります。
路面が雪で覆われていても、その雪の下の状況が走っていて感覚でわかるようになってきます。
感覚というか、滑る回数でわかります。
平らに見えてても異常に滑る路面と、安定して走れる路面があります。
直進とコーナー
信号などの急な左折、右折はかなり減速して走行しなければなりません。
交差点は特に凍結がひどい場所でもあります。
スパイクタイヤでのアイスバーン走行

普通車がゆっくり走らざるを得ないツルッツルの氷の上は逆にスパイクタイヤは最強。
スパイクが氷に刺さり、ガッツリトラクションがかかります。
スパイクタイヤで一番走りやすいのが平滑なアイスバーン。
スパイクピンがしっかり接地していれば、滑ることはほとんどない。
コーナーもゆっくり走れば大丈夫。
加速は、スタッドレスの普通車より早いです。
しかし、路面の凹凸の大きさ次第では、一気に走りにくくなります。
氷上の走行は、スパイクピンの接地状況が命!
スパイクタイヤでの積雪路面走行
積雪後は基本的に雪の表面が平らになるため、雪の下の路面状況が読みにくい。
氷なのか、アスファルトなのか。
冬道は真っ平らな路面はほぼありません。
表面は平滑でも雪の下は、氷によって凹凸だらけになります。
高い凹凸にタイヤが乗ると、タイヤが左右に滑ります。
オフロードで大きめの滑りやすい砂利の上を走っている感じです。
積雪後に雪が踏み固められてできる、縦目のワダチが厄介です。
ハンドルが取られたり、横滑りが起きるので除雪が入る前の積雪路面は怖いです。

スパイクタイヤで凍結のない乾いた路面を走行
スパイクとアスファルトが当たる音がするが、走行は問題なく可能。
走れば走るほどにスパイクが削れるため、平滑なアイスバーンがあればその上を走りたくなる。
車道を走行するに当たって
路面状況によって、移動可能な速度が変わります。
急に凍結路面が現れたら30km/hぐらいに減速しなければなりません。
雪の吹き溜まりがあれば、急減速しなければなりません。
そんな状況で走っているために、車道で後ろに車がいるのが非常に嫌です。
減速が怖いのですし、転倒した場合も、後続の車に轢かれる可能性もあります。
そのため、基本的に単独走行をしていたいです。
市街地であれば、冬場の車の移動速度は早くなく、むしろスパイクタイヤのバイクの方が直進は快速です。
交差点で曲がる時は自動車以上の減速が必要ですが。
国道などの自動車の速度域が速くなる場面では、後ろに車がいる状況で走らない方が吉です。
路面状況が変わった場合に自分のペースで走りにくいため、危険です。
ボンスン(BONSUN) スパイクタイヤのインプレッション

現在市販の製品で唯一購入可能なスパイクタイヤがボンスンのスパイクタイヤ。
10、12、14、17インチサイズがありほとんどの原付のタイヤサイズに合う。
アイスバーン
スパイクが効けばグッと問題なく止まるし、加速もできる。
ボンスンのスパイクタイヤのスパイクピンがあまり突き出していないため、いつ滑るかわからない恐怖がある。
そして、接地しているスパイクピンの数も少ないため、滑ったら一気に行く。
ドライ路面はスタッドレスタイヤ特有の柔らかさがある。
ただ問題なく走行可能。
北海道では初冬や春間際に良さそう。
フルピンだと削るのが勿体無いので。
ボンスンのスパイクピン
ボンスンのスパイクタイヤは多分手作業による打ち込みなんでしょうね。
数箇所スパイクピンが斜めっていたり、深く打ち込みすぎていて「これ失敗じゃね?」と思えるピンが刺さっている箇所があった。


ボンスンのスパイクタイヤのピンは細く、突き出し量も高くは無い。
見た感じから、軽度の雪と薄い氷の路面を走行対象としているのが分かる。
スパイクの突き出しも短いため、少しでも雪に深さが出るとスパイクが地面に届かないため不安定に。
凍った路面の上に積雪が乗っている場面は怖い。
軽い積雪路面が限度かも?
スパイクピンの左右差があるので、アイスバーン路面上で極低速時に左右にフラフラした場面があった。
積雪地域での使用はキツイと感じるが、原付二種の速度域(上限60km)での話であり、原付一種の速度域(上限30km)であれば、それなりに走行可能。
市街地走行は40が限度。
自作フルピンスパイクタイヤ

ティムソンのオフロード用ブロックタイヤをベースにスパイクピンを打ち込み製作した、自作スパイクタイヤ。
まさに冬用タイヤ。
路面次第で、かなり滑る状況もある。
ピンの数が多いので、滑る状況でも結構ねばる。
ベースタイヤに使用したティムソンのタイヤは夏用のブロックタイヤのため、低温時ゴムは硬くなり柔軟性は無い。
氷上では滑りを受け止めるのはほぼスパイクピン。
雪が積もっている道路状況では、ブロックの高さとブロック同士の隙間もあるのである程度の深さの雪でも対応可能。
ドライの凍結なし舗装路は安定して走行可能。
ただ、ベースがブロックタイヤなので、独特のふらつきや曲がりにくさはある。
目に見てアスファルトが出ていると分かる路面であれば問題なく60キロ走行は可能。
積雪路面もブロックの形状が大きいため、問題なく走行可能。
吹き溜まりもある程度の深さまで突っ込める。
吹き溜まりは、風で飛ばされた雪の蓄積のため、雪の密度が高くて重い。
基本的にハンドルを取られるので足使う準備して、減速して突っ込むべき。
タイヤの接地面
基本的には中央の2列しか使用していない感じ。
それを見越して、中央のスパイクピンを深め、サイドのスパイクピンを浅めにはしている。
空気圧を下げても4本接地することは無さそう。
がっつり空気を抜いて完全に接地させたい場合は、ビードストッパーが必要。
純正ホイールで空気圧を抜きたい場合は1キロぐらいが限度。
空気圧を下げすぎると、ホイールとタイヤチューブの密着が弱まり、タイヤと共にタイヤチューブが動いてしまう。
タイヤチューブが動いてしまうとエアバルブの根本に負荷がかかり裂けてタイヤがパンクする。
ビードストッパーを装着すると、空気圧0.6ぐらいでも使用可能になる。
ホイールのリム幅に対応した製品を購入し装着する必要がある。
ちなみにハンターカブはリム幅1.6。
装着にはホイールの穴あけ加工が必要になる。
フルピンを装着して少し走行したところ
制作時より、ピンがちょっと出てきている感じがする。
自作フルピンとボンスンの比較

冬道の走破能力は、スパイクピンが地面に接するかが全て!
率直な感想で言うと、先にボンスンのスパイクタイヤで走行してみて「コレで長距離は無理」と感じました。
その後、フルピンを履いて走行開始直後は「これも滑るわ、、、」と思いながらも走ってみると、滑りはするものの、少し滑るもののものすごく粘るので「全然いけるわ」と思いました。
表情での限界値が全くちがいます。
フルピンのスパイクタイヤは横滑りしても、ものすごく粘る。
ボンスンのスパイクタイヤはスタッドレスベースなのでトレッドが柔らかい。
左右にわずかなワダチのような段差があると、横滑りしやすい。
接地しているピンの数も少ないので、一気に滑りやすい。
タイヤ自体の形状が違う
タイヤ自体の形状自体にも違いがあり、ボンスンのスパイクタイヤは、スタッドレスタイヤの形状のため、倒して曲がることを想定していないため接地面が平らに近い。
ティムソンは通常のタイヤと同じく接地面は円状になっている。
そのため接地する面積に違いがある。
ブロック同士の幅の問題
タイヤが接地するブロックの表面積とピンの深さや数で、どれだけの深さの雪に対応できるか大まかにわかる。
表面積が増えると、雪が深くなるとピンが接地しなくなる。
アイスバーン路面の氷の上に雪が積もっている状況では、雪の暑さを越してピンを接地させなければならない。
結論
結論で言うと、走る路面の状況に応じて得意不得意はあるものの、ピンの数が多い方が有利。
長距離を乗るならフルピンで!!

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